北枕ふか子のブログ

行ったりやったりつくったり

知らない人について行きがちな人生

ふかこんばんは、北枕ふか子です。どうもどうも。

 

わたしは救いようのないレベルで方向音痴なんですけど。

 

以前、Twitterで「友だちと旅行に行って、道がわかんないときにマップで調べないでぼーっとしてるやつ、マジなんなの」問題が話題になってた気がするんですが、(togetterあったから載せておく)

togetter.com

 

こう、わたしは「マップを開かない派」なので、このツイートが話題になってたときに「すまんの!」と思ったんですけど。思いはしたんですけど。今後も開かない方針でいきますけど。

 

こっちにも言い分があってですね、このまとめられている意見の中にもあるんですけど、「地図を見て、意味わかんない方向に連れて行こうとする」タイプの方向音痴なんですよね。わたし。マップ開いて調べてもわかんないのに、意味わかんない方向に向かって、比較的強い確信をもって進もうとする。「こっちじゃない?」みたいな。「なんで今までわかんなかったんだろうね、こっちの方向ですよ」みたいにしれっとした顔で間違った方向に連れて行こうとする。間違ってても「いや方向音痴だと宣言しているわたしに任せたお前が悪い」みたいに開き直り始める。下手な悪者より質悪いですよ。だからマップは開かない。その代わりに看板とか探したり、スマホを見ている友人を他の攻撃から守っている。通行人とか車とかスリとか隕石とか不慮の事故とかから守ってる。大事な仕事。大事な友人を守る。

 

もっと言うと、わたし、地図開いてもどっちに進めばいいかわからないレベルで方向音痴なんですよね。たぶん、方向感覚を司る機能をお母さんのお腹に置いてきちゃったんですけど、「道迷った!地図開こう!Google先生!よろしく!」と言って地図開いてみても、まずそこから動けないんですよね。「どっち進めばいいんだ???」みたいな。「そもそも今自分はどこにいるんだ???」「これ現在地が間違っているのでは??」みたいな。疑いだす。なのに、確信をもって違う方向に進んだりする。超厄介。黙っててくれよって思いますよね。思います。あと検索が下手すぎて全然違う場所表示されたりして、「は???どこの話してんの???」みたいになる。検索の仕方が下手なんだろうな。検索の才能ってあると思う。いや、ここから深い話にはならないんだけどさ。

 

で、まあ最近のGoogle先生はたいへん有能で「ナビ機能」とかついているから「ここから5m先の角を右」とか出てくるんですよね。ありがたい。「ほんとに合ってるの~? 信じないよ~? 遠回りじゃない~?」みたいなノリで毎回使うんですけど、大体到着するのですごいんですよね。言うこと聞いてると到着してる。信じる者は救われるっていうけどガチだなって思いますね。とか言いつつ、到着した後も「こっちの道から来たほうが早かったんじゃな~い?」とか言っちゃうんですけど。天邪鬼かよ。素直になれ。

 

まあ友だちと一緒のときに地図を見ないわたしは、一人でいるときもあんまり地図を見なくて、それは「見てもわかんないから」と「携帯見るより周り見たほうが意外とわかるから(看板とか案内に従ったほうが、自分で調べるよりイイ)」っていう2つの理由からで、実際、大体の劇場には地図アプリで調べずに、看板とか人の流れを当てにして行ってます。それで大体到着する。そうやって観劇生活を謳歌してる。

 

まあ、さすがに迷子になったら地図アプリ開いてルート検索するけど、自分が今どこにいるかすらわかんないときは、とりあえず大通りに出るようにしてる。これは母に教えられた。「迷子になったら大通りに出ろ。大通りへの道がわからなかったら、とりあえず車の音がするほうへ歩け」って。小さいころから散歩が好きなわりにすぐ迷子になって、予定より遅くに帰ってきて怒られてたから、そう教えられた。これは今でもかなり助けられている。

 

で。

 

わたしが高校生くらいのときはガラケーで、地図アプリとかないし、調べると通信料かかるしで一人で未開の地に行くときは、事前にちゃんと調べて、地図を印刷して向かっていた。まじめだったから。だけど、完全に油断して向かってしまったものがあった。

 

それが、英検会場。

 

受験票に地図が書いてあったから油断した。まず、どっちの出口から出ればいいかわからない。そういう初歩的なことがわからない。でも、最初のこの選択が合っていれば到着できる。どっちだ。どっちに出ればいい。改札前で立ち尽くすわたし。「名探偵コナン 時計仕掛けの摩天楼」のラストシーン並みに悩んでいる。赤か、青か…どっちを切ればいい…。試験開始まであと30分。時間はある。まだいける。大丈夫、わたしならできる。I can do it!!!!!

とりあえず気持ちを鼓舞して出発。2つ出口があったけど、テキストもって歩いてるお兄さんが目の前を通ったので、「あの人は絶対!英検!!」と思ってついていった。

まっすぐ歩いていって、10分くらいそのお兄さんのあとをついていった。もはや尾行。「たまたま、あなたと進む方向が同じなんですよー」みたいにしれっとした顔でついていった。「あの人についていけば絶対会場に着く」と信じてやまないわたし。でも、全然つかない。着く気配がない。徒歩8分って地図には書いてあるのに。おかしい。15分くらいたって気づいた。

 

「こっちの出口ではないのでは」

 

やっと気づいた。いやだって、徒歩8分って書いてあるのに、15分も歩きます? あとこんな閑静な住宅街のなかに試験会場現れます?? 閑静な住宅街で行われる英検ってなんだ、ECCジュニアのホームティーチャーが行う試験なのか。それは英検ではないな。

 

戻るなら今だ。ギリギリ試験前に到着できるかもしれない。頑張ろう。戻るなら今。わたしはなぜか姉に「迷子になった」とメールした。なぜかはわからない。けど、メールした。で、電話が来た。「どこかわかんない」と言ったら困ってた。そりゃ困るよな。「誰かに聞け」と言われたけど、「いやこれ駅戻ったほうが早い」とか言い出すわたし。じゃあなんで連絡したんだ。お騒がせ野郎か。

 

それからのことはあまりよく覚えてない。でも、駅に戻って、もう一つの出口のほうに出たら、さっきの出口の比じゃないくらい栄えてたし、英検っぽい人がワラワラいた。「いやこっちじゃん、絶対こっちの出口じゃん」と何かにキレながら歩いた。試験会場は大通りに面した学校だった。わりとすぐついた。遅刻して焦って会場に入ると、にこやかに迎えられて「遅刻しちゃったんですけど」というと「大丈夫ですよー(*^_^*)」と言われた。なんでそんな笑顔なんだ。

 

実際、2次試験だったので面接待ちの人がたくさんいて、10分くらいの遅刻でも全然問題なかった。汗だくのまま試験を受けて、「こんな感じなのか」と思ったら終わった。一瞬だった。試験してる時間より迷子してる時間のが長かった。

 

そもそも、あのお兄さんについていかなければ、出口を間違えなければ、普通に到着してたのかも、とか思ったんですけど、なぜかあの時はすごく強い確信で「あのお兄さんについていけば大丈夫」って思ったんですよね。テキスト持ってたし。まあ今考えると、あれは英検のテキストじゃないだろうけど。

 

もう1個盛大に迷子になったのがあって、それは秘書検定。これは会場がめちゃくちゃにわかりづらい立地で、受験票の地図を見ても全然わかんなくて同じ場所を行ったりきたりしてたら、わたしと同じような「これから秘書検定ですが道に迷ってます(;^ω^)」みたいな女性が集まり始めた。部屋の隅に集まる埃のように、自然と集まってきた。この地獄ループに巻き込まれた同じ運命をたどる人たち。我々は運命共同体である。

 

で、ああいうときの女性って仲間を見つけて協力するパワーが本当にすごいので、「秘書検定ですよね…?」みたいな感じで受験票を手にした人達をどんどん仲間にしていく。集まって「どっちでしょう…」とか言って受験票をくるくるする。わたしもどさくさに紛れて「わかんないですよね(;^ω^)」とか言っている。こういっておけば、仲間だと思われるので、とりあえず言っておく。速足でさっきも通った道に進んでいく。

 

そのうち、先に進んでいた女性が速足で戻ってきて、「こっちです!!」みたいに言って、我々のループ地獄が終わる。救世主だ。女神が現れた。「やった!」と全員で走る。会場っぽい建物が見つかる。全員で全力ダッシュ。試験開始まであと3分。到着。それぞれの教室に入っていく女性たち。スッと座ったら、ガイダンスが始まるところだった。間に合った。みんなで走っていたあの瞬間、下手な学校行事よりも青春を感じた。

 

まあそんな感じで到着したんですけど。これはね、知らない人だけど、ついていってよかったパターンで、あのお姉さんたちがいなかったら完全に遅刻してたし、受験料ムダにしてました。本当に感謝している。ありがとうお姉さんたち

 

で、こんな感じですぐ知らない人についていくんですけど。

よく「知らない人についていっちゃいけないよ!」って言うやつがあって、あれは「変なおじさんにおかしあげるよ、って話しかけられても、ついていっちゃダメよ」ってことなんですけど、全方向音痴の人にも言いたい。

 

「雰囲気だけで同じ目的地に行きそうだな~だと勝手に判断した知らない人のあとについていっちゃだめ」