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北枕ふか子の枕営業日記

行ったりやったりつくったり

「納豆定食」

「食べたいものを食べたいときに食べれる幸せ」っていうのが”食欲”という欲を超えた先にあるよな、としみじみ思う。

 

とにかくもう昨日から納豆を食べたくて仕方なくて、散歩をしながらふらふらと納豆定食をいただけそうなお店を探したんだけど、ない。みんなアボカドなんとかプレートとかバジルのチキングリル定食ばかりのおしゃカフェばっかりで、はっはーん気取っていやがるぜ!と思ったら、あった。ありました。納豆定食。ブックカフェに。え?ブックカフェで納豆定食?どうなのそれ。でも、納豆定食が500円。コスパ良い。迷わず入る。

 

両側の壁が本棚になっていて、本がばーっと並んでいる。おしゃカフェって感じのお店で、コーヒーを飲みながら本を読んでる人もいる。こんなところで納豆定食を食べていいのか。ひとりでおののいていると、店員のお姉さんに「いらっしゃいませーお好きなところにどうぞー」と笑顔で声をかけられて、奥にある2人がけのテーブル席に座る。お冷やとおしぼりを置かれた瞬間「納豆定食ください」と間髪入れずに言ってしまう。しかも、ちょっと食い気味に。

 

わたしが間髪入れずに言ったからなのかわかんないけど、すごい早さで納豆定食がでてきた。ごはんと味噌汁、あとは生卵、海苔、梅干し、漬け物、そして納豆。旅館の朝食みたいだ…。

 

手始めに味噌汁をいただく。具がたっぷり。これでもかってくらい具が溢れている。じゃがいも、にんじん、だいこん、こんにゃく、ごぼう、さといも、ぶたにく、あぶらあげ、ねぎ。ずずっ、とすすると、野菜のうまみと味噌汁のあたたかさが広がって、身体の芯がほぐれていくのを感じる。うわーこの味噌汁を作ってくれる女の子と結婚したい…。

 

ごはんも一口。味噌汁との相性もいいけど、お米そのものがすごくおいしい…これは全部に合うぞ!と確信したので、漬け物を一ついただく。わたし漬け物って苦手だからあんまり食べないけど、この漬け物、うまくない?米との相性も抜群なんだが?何この定食?

 

メインの納豆をいただこうと思い、勢いよくかき混ぜる。めっちゃおしゃれなカフェで、ひたすら納豆をかき混ぜる女。それがわたし。とりあえず納豆だけで一口いただく。「これだー!」と心の中のわたしが走り回っている。「これですよー!これこれー!求めてた味ー!」

 

ごはんの上に納豆を載せて、それらを海苔でくるむように持ち上げて、即席の納豆巻きをつくる。うまく出来てひとりで「ふふふ」とか言いつつほおばると、海苔の香ばしさと米のあたたかさと納豆の味がいい感じに混ざり合って「日本人で良かった…」と思いながら「んふふふ」って声でた。マジで。納豆をそのままでいただいたり、納豆巻きにしたり、漬け物、味噌汁でクッションを挟んだりして、和定食のシンフォニーを楽しむ。

 

で、最後に生卵。ごはんも残り少ないし、どうしようかなーと思っていると、店員さんから「ごはんおかわりしますか?」と天使の声!「お願いします」とこちらもまた間髪入れずに言うと、さっきは苦笑してたお姉さんに今度はちょっと微笑まれる。おねえさんかわいい。

 

生卵を割って、かかかっ、とかき混ぜる。これ新鮮な卵や…素材にこだわってる…わいはな…たまごをかき混ぜるだけで新鮮度がわかるんや…とテンションあがりすぎてよくわかんないこと考えていると、ほっかほかのご飯が到着。

 

ほかほかごはんにクレーターをあけて、一気にがーっと流し込み、しょうゆをかけ、喉の奥にがーーっと勢いよく流し込む。しあわせ~!と叫び出しそうなのを抑えて、ごはんの上に残った納豆をがーっといれ、それをまたもや、がーっと食べる。ねばねばとなめらかさとあたたかさが一気に押し寄せてきて、「しあわせ~!」心の中がほくほくしている。納豆食べられるだけでもハッピーだったのに、なんだこの嬉しいコラボ!という感じ。この定食作ってくれる人と結婚したい…。ブックカフェで女が飯を食っているとは考えられないくらいの勢いでがーっと納豆卵ごはんを流し込み、味噌汁でフィニッシュ。いやー味噌汁ではじまり、味噌汁で終わる壮大な物語ですわ。これは。

 

納豆定食を食べてしまったら急に落ち着いてしまって、さっきまで勢いよくごはん食べてたから、本とか読む感じじゃないなー。でもコーヒーも飲んでみたいなー。今度でいいかなー。と思いながらお会計する。なぜか席を立ったときに厨房からシェフ?の男性に微笑まれる。思わず、レジでお姉さんに「おいしかったです」というと、「シェフが、“めっちゃ幸せそうな顔して食べてる”って感激してたんですよ。ありがとうございます」と笑いながら言う。わたしも嬉しくなって「そんなこと言ってもらえたら、心もお腹いっぱいです」とか言ってしまう。絶対また行く。

 

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「タダしいyouに見える」のパーソナリティであるマスダさんからある日、メッセージが届いた。

 

「お遊びで付き合って欲しいねんけど、納豆定食を食べた設定で文章書いてみてくれへん?HPの空想のカフェメニューにレビューを載せる企画したいねん」

 

「いつまでに書けばいいですか?」

 

「年内でやろ!」

 

もうそろそろ今年も終わりますが、マスダさん、ようやく書けました。よろしくお願いします。